俗に第2期ウルトラシリーズと呼ばれる帰ってきた~レオまでのシリーズは、シリーズ展開のキーとなる「ウルトラ兄弟」が確立したシリーズで、小さな子供向けの要素が多くなってきました。そんな子供達へのメッセージとして「ウルトラマンA」の最終回シーンを紹介します。
ウルトラマンにしても仮面ライダーにしても何かあるとシリーズ初期の作品は、高い評価を受けやすく、名場面なども頻繁に紹介されていますが、ヒーローものの場合スポンサーの意向などで小さな子供向けにシフトしてしまい、評価を受けにくいシリーズもあるのですよね。でもそんなシリーズにも製作者の主張は必ず存在しているというシーンだと思います。
ウルトラマンAは、男女ペアで変身するという設定や怪獣を超える異次元人やプールの怪獣兵器「超獣」という新しい試みが行われたシリーズでもあり、初めてウルトラ兄弟という設定を使って、歴代のウルトラマンとの共演(帰ってきたウルトラマンにも初代マンとセブンは登場したが、兄弟という設定は無かった)を行い、ウルトラマンの存在する世界観を定義づけしたシリーズです。
途中路線変更で、ペアの女性南夕子が月の人間でいなくなり、従来通り男性1人での変身に変わったり、ファミリーのTOP的な存在としてウルトラの父を登場させたり、客演したウルトラ兄弟と力を合わせてやプールを倒すという演出がなされます。
そして、迎えた最終回。この話は、弱い宇宙人の子供をいじめていた子供達にエース(変身前の北斗星司)が、ウルトラ兄弟は弱いものいじめをしないと諭し、子供達と一緒に宇宙人の子供を保護するのですが、この弱い宇宙人こそヤプールが化けていたため、北斗は宇宙人を倒します。
そして子供達に真実を伝えるため、目の前でウルトラマンAに変身するわけですが、そのおかげで地球に居られなくなると言うわけです。
「優しさを失わないでくれ。 弱い者をいたわり、互いに助け合い、 どこの国の人達とも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。 例えその気持ちが何百回裏切られようと。 それが私の最後の願いだ。 」
ウルトラマンAが敵の超獣を倒した後、地球を去るとき、このメッセージを残したのですが、この話は、この数十年後、思わぬ形で再び、ウルトラマンAのセリフとして登場します。
ウルトラマンメビウス第44話で、ヤプールの策略によって、人間の汚い部分を見てしまうメビウス。そんなメビウスに月で戦っていたエースが語りかけるのが、このセリフなんですね~
しかも、北斗と南夕子の再会とうサプライズまで用意されたメビウスのシーンで、オリジナルの最終回シーンがよりいっそう印象の残るシーンとなったわけです。
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